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青き空を守りし者は
第一話
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「コバルト、朝だぞ。起きろー。」
「ふにゃ?」
ここはマサラタウン。ポケモン研究所はあるがポケモンセンターは無い小さな町。
コバルトはポケモン研究所の横にある自宅の一室で目を覚ました。この世界での10才の誕生日は自分の夢をかなえるための旅立つ許可が下りる日。コバルトは今日この特別な日を迎えた。
「ああ、フィールおはよう。…いい天気だな。うん、旅立ちにはふさわしい日だ。」
「だな。ところで寝癖が付いてるぞ。」
「げ。」
出かける準備を整え、なんとか寝癖も直し、フィールをモンスターボールに戻して外に出る。
「コバルト、気をつけていってらっしゃい。」
「はは、大丈夫だよ母さん。なんたって俺、母さんの子どもだし。」
そう、母のリーフは今は研究所で遺伝の研究をしているが、実は20年前、ロケット団に一人で乗り込んで壊滅に向かわせ、さらに四天王を倒してわずか10才で殿堂入りを果たした凄腕のトレーナーだ。コバルトはこの母からバトルを教えられた上、もともとの才能もあって今では母でも舌を巻くトレーナーに成長した。
「嬉しい事言ってくれるのね。でも無茶ばかりしちゃだめよ。それから……はい、誕生日プレゼント。持って行きなさい。」
「わぁ、湿った岩と熱い岩、それに鋭い牙に煙玉か!ホウエンから取り寄せたの!? ありがとう!」
「ええ。オーキド博士の友人のナナカマド博士に頂いたのよ。大事に使いなさいね。」
「はーい。じゃ、いってきまーす。」
「いってらっしゃーい。」
こうしてコバルトの旅は幕を開けた。
現在カントー地方を中心にプラネット団という組織のせいで混乱状態にある。プラネット団は町を破壊したり、人のポケモンを奪ったり、抵抗したらポケモンもそのトレーナーも再起不能にしたり、悪くするとポケモンを殺してしまう事さえある。目的はさっぱり分からないが、悪事に手を染める事を喜びと感じているような人達の集団で、被害は拡大するばかり。今ではジムリーダーや四天王を始めとした有力者たちが各町の警護に当たり、警察はプラネット団の尻尾を掴もうとしているのだがなかなか上手くいかないようだ。そういう訳でジムは大抵閉まっているし、リーグは完全に休止状態になってしまっている。
そんな中コバルトが旅に出るのを決意したのは、プラネット団を許せないから、そして組織を壊滅させるだけの力があると判断したからだ。もちろん簡単にいかない事は充分承知しているし、自分も相棒たちも怪我では済まないかもしれない。それでも有利な点はいくつかあり、子どもだから身体が小さく行動がしやすい点と顔が知られていないので警戒されにくい点がある。後は相棒にテレパシーが使えるエーフィーがいるし、足の速いウィンディ、真の暗闇でも自由に行動ができるクロバットがいる。それにコバルト自身の身体能力もかなりのものだから、組織に対抗できるだろうと判断を下したのだった。
コバルトの身体能力が優れているのには訳がある。オーキド博士の研究所にはサファリゾーン並みの広大な庭があり、ここにはリーフや、リーフのライバルであり今は各地の警護に飛び回っているシゲルのものを始めとするたくさんのポケモンが放し飼いになっている。コバルトは幼い頃からこの庭をポケモンと駆け回っていたので運動能力はもちろん、状況判断力や勘も身に付いたのだ。
さて、コバルトは一番道路を抜けてトキワシティに到着した。フレンドリィショップで少し買い物をして、ポケモンセンターで休憩をする。
「よし、ディー、ユーリ、出てこい。」
ポンッとボールからウィンディとハクリューが出てくる。
「あのさ、母さんに道具貰ったんだけど持っといて。まずディーに鋭い牙。攻撃した時相手をひるませる事がある。それからユーリには湿った岩と熱い岩があるけど…今回は熱い岩だ。これは日本晴れの効果が長く続くようになるらしい。まぁそのうち戦闘で役立つと思うから。じゃあボールに戻って……」
その時、ポケモンセンターに勢い良く駆け込んできた子どもがいた。
「ジョーイさんこの子を助けて!酷い怪我してるの!トキワの森でプラネット団に…!」
見てみると確かに酷い怪我を負ったワンリキーだった。ジョーイさんが急いで奥のほうへ連れて行く。これから緊急手術でもするのだろう。
「プラネット団か…。トキワの森ならすぐ近くだな。ユーリ、ボールに戻ってて。」
ユーリをボールに戻し、ディーを従えて外に出る。そしてひらりとディーに乗り指示を出す。
「ディー、トキワの森まで!」
「ガウ!」
ディーは一声鳴いて風のように駆け出した。
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