|
|
|
メニューに戻る|前へ|次へ
|
青き空を守りし者は
第二話
|
トキワの森をディーが駆けていく。森の中心辺りに着いた頃、コバルトは静止をかけた。
「向こうでポケモンが騒いでいる…? ディーご苦労様。ここからは徒歩で行く。」
速く、そして慎重に近づき、木の陰から様子を窺う。
「…っ! 虫や鳥たちが…。」
バタフリーやキャタピー、ポッポやオニスズメ達がプラネット団5人組に攻撃されている。ポケモン達は仲間を助けようとしているようだが、相手が強いようだ。ヘルガーとニューラとゲンガーの三匹が次々に森のポケモンを瀕死ギリギリまで追い込み、そして地面で動けなくなったポケモンをさらに5人がいたぶっている。笑いながら。
「あいつら、楽しんでるのか……酷い。」
コバルトはそっと、フィール、ディー、ユーリを出した。皆怒っている。モンスターボールに入っていても外の様子は分かるのだ。
「俺はできれば奴らに顔を見せたくない。だから指示はフィールを通して伝える。…いいか?」
3匹は同時にこくんと頷く。
「よし。怒って我を忘れるなよ。それから森のポケモン達に攻撃を当てないように!ユーリ、日本晴れ!戦闘開始だ!」
一筋の光が空へ上り、それが弾けると薄暗い森に光が満ちた。それと同時にディーとユーリが敵前に飛び出し、コバルトとフィールが別の茂みに移動する。
「ディー、ニューラに火炎放射。ユーリはヘルガーに竜の息吹。」
コバルトの指示はフィールがテレパシーで伝える。2匹にはコバルトがすぐ隣で言っているように聞こえているので、離れていても即座に行動に移すことが可能だ。
攻撃を受けたニューラはすぐに戦闘不能になった。ヘルガーは不意討ちで後方に飛ばされたがこちらは持ち堪えた。プラネット団の5人がディーとユーリの登場に驚きながらもすぐに一斉攻撃を始める。
「っのやろ邪魔すんじゃねぇ!ゲンガー、ウィンディにシャドーボール!」
「ゴースト行け!ウィンディに毒々!」
「ヘルガー、ハクリューに火炎放射!」
「出てこい、グラエナ!ハクリューに突進だ!」
注意がこちらに向いた隙に野生のポケモン達が瀕死の仲間を連れて逃げ出す。コバルトはすぐに判断を下し、指示を出す。
「ユーリ、突進は避けてディーの代わりに毒々を。ディーは火炎放射を受けて。」
指示通りに動き、ディーはシャドーボールを避けつつ火炎放射を受けた。ディーの特性は貰い火だ。ダメージは受けず炎技の威力が上がる。そして毒々を受けたユーリは脱皮で状態を回復した。コバルトは間を空けずに指示を出し続ける。
「ユーリ、ヘルガーに竜の息吹を。ディー、ダブルでシャドーパンチが来るぞ!耐えてくれ!そしてゴーストに噛み砕く。ユーリ、グラエナとヘルガーに波乗り。続けてグラエナに竜の息吹。」
噛み砕くで怯んだゴーストをディーがさらに噛んで倒す。ユーリの方ではヘルガーが倒れ、グラエナは飛ばされて木の幹に激突する。
「くっそーっ!トレーナーはどこにいる!? 隠れてないで出てきやがれ!」
もちろんコバルトが出ていくことはない。このままでは不利だと判断したのか、さらにグラエナ2匹、ドガース、カゲボウズを出してきた。
「くっ…、5匹相手は少し厳しいかな…。ディー、オーバーヒートだ。手前のグラエナとその奥のドガースへ。数を減らそう。ユーリ後ろだ!竜の息吹!」
ディーのオーバーヒートでグラエナは倒れたが、ドガースは煙幕を使い攻撃を避ける。辺りの煙幕はどんどん濃くなり、命中率は下がるし、何より見えにくいので指示が出しにくくなってしまった。それはお互い様だが、離れた場所にいるコバルトには致命的だ。
「見えにくいっ。ん?日差しが弱くなってきたな。ユーリ日本晴れを。ディー、火炎放射をドガースへ。」
再度光が空で弾けて陽射しが強くなった。一方火炎放射はドガースを掠めただけだ。
「クゥーーッ」
「ユーリ!? 大丈夫か!?」
どうやらゲンガーのシャドーパンチとグラエナの噛み砕くを喰らったようだ。
「…ユーリ戻れ!それ以上は危険だ。出てこい、バロッズ。ユーリと交代。」
ユーリをボールに戻し、クロバットのバロッズを出す。ボールのレーザー光でこちらの位置がばれた可能性があるので急いで場所を変える。予想は当たり、さっきいた場所にシャドーボールが飛んできて、続けてカゲボウズが煙幕から出てきた。
「まずい、見つかった。トレーナーが来る前に倒すぞ。フィール、シャドーボール!」
フィールの放ったシャドーボールははカゲボウズにクリーンヒットした。
「よっしゃ、戦闘不能になったな。げ、こいつのトレーナーが近づいてきてる。反対側に急ぐぞ。」
「フィー」
走りながらもディーとバロッズに指示を出す。
「バロッズ、グラエナに毒々の牙を。ディー、ゲンガーに火炎放射。」
しかしディーの攻撃はなかなか当たらない。バロッズの方は超音波で敵の場所が分かるがやや相性が悪い。なんとかグラエナの1匹が倒れて、残りはゲンガー、ドガース、グラエナの3匹になった。しかし相手のゲンガーは素早く、ディーに確実にダメージを与えていく。かと言ってさらにポケモンを出しても確実な指示は出せないだろう。そして陽射しはいつの間にか弱くなっており、炎の威力は元に戻ってしまっている。どちらかといえばこちらが不利だ。
「この煙幕さえなければ…。ディー、ゲンガーにもう一度火炎放射を。そして交代だ。そろそろ限……!?」
その時上空から火炎放射が放たれ、ディーとシャドーパンチを繰り出そうとしたゲンガーに当たる。ディーはノーダメージな上さらに炎の威力を上げるが、ゲンガーは手に火傷を負う。そして火炎放射を放った何者かは煙幕も吹き飛ばした。
「オニドリル!?…とにかく助かった。よし、一気に片付けるぞ!ディー、オーバーヒートでゲンガーに。バロッズはディーに向かって黒い霧。」
ディーがゲンガーに突っ込み、ゲンガーはシャドーパンチで応じたもののついに戦闘不能になった。バロッズの黒い霧で能力値を元に戻しておく。
一方突然現れたオニドリルはグラエナを攻撃し始めた。突進に対して突進で返している。なるほど、さっきの火炎放射はオウム返しを使ったようだ。
「バロッズ、オニドリルに加勢しろ。グラエナに毒々の牙。ディー、ドガースに火炎放射。」
グラエナが倒れ、ドガースも体力の限界がみえている。ドガースのトレーナーはドガースに最後の命令を出す。
「まずい、皆下がれ!大爆発が来るぞ!」
と、コバルトが言い終わらないうちに爆発が起きて、コバルトは咄嗟に木の幹の陰に隠れる。すぐに振り返ったが、プラネット団は逃げたようで砂煙が舞っているだけだった。
「テレポートしたか…。」
安全を確認し、そして大爆発を喰らった3匹のもとに急いだ。
|
|
メニューに戻る|前へ|次へ
|
|