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青き空を守りし者は
第三話
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「ディー、バロッズ、それにオニドリル大丈夫か?」
「ギューゥ……」
「クールルルル……」
ディーからは返事が無い。
「ディー!? おい、しっかりしろ。……駄目か。気を失ってるな……。ディー、ご苦労様。頑張ってくれてありがとう。それにバロッズもお疲れ様。二人ともボールで休んでてくれ。」
2匹をボールに収めてオニドリルを観察する。オニドリルの傷は浅いようで、すでに起き上がってこちらを見ている。コバルトは横でへなっとして疲れた様子のフィールに話しかけた。
「なあフィール、通訳頼んでいいか?」
「…いいけど。あんな戦闘中にテレパシーを的確に送るのって大変だったんだからな。少しは労われ。」
「うん、ご苦労様でした。ありがとう。さ、通訳してくれ。俺にはオニドリルが何言ってるのか解かんないんだから。」
「はいはい。」
コバルトはオニドリルに向き直って、まず礼を言う。
「オニドリル、助けてくれてありがとう。あそこで君が来なかったら危なかった。」
「ヂュンヂュンヂュン、クールルルル」
「いや、僕はあいつらを許せなかったから自分も何かしたかった。君達の役に立ててよかったよ。」
「ヂュヂュンクールルクル」
「僕だけじゃ勝つ事は無理だっただろう。それに僕が参加したのは最後だけ。ほとんど君達が片付けてくれてたじゃないか。」
「クールルルルクー」
「僕からもお礼を。君達が駆けつけていなかったら森のポケモン達の中に死ぬ者がいたかもしれない。ありがとう。」
ここまで言うとオニドリルは話を終えた。首を傾げて反応を待っているようだ。
「あはは、そう言われると照れくさいなぁ。俺もあいつらを許せなくってさ。それでディー達に無理をさせちゃって…。えっとオニドリル、傷は大丈夫か?」
「ヂュンヂュン」
「大丈夫。君のウィンディが庇ってくれたから。後でお礼を言っといてくれ。だってさ。」
「ああ、そうだったのか。うん、ちゃんと伝えとく。」
コバルトはディーのボールをそっと撫でた。こいつは他人に対する思いやりは人一倍強いから、自分を盾にして2匹を守ってあげたんだろうなぁ。
「クールルルルー」
「え?あ、本当だ。コバルト、周り見てごらんよ。ここのポケモン達が集まってるぞ。」
「へ?」
コバルトが見回してみると、確かに木々の間に森のポケモン達がいてこちらを見ていた。そしてコバルトやフィールが向くと、羽をバタつかせたり身体を上下に動かしたりする。
「通訳要る?」
「要らないよ。」
この行動で何を伝えたいのかは想像がつく。コバルトはクスッと笑うと皆に呼びかける。
「君達が無事でよかったー。皆元気に暮らせよー。もうあいつらに捕まるんじゃないぞー。」
「フィーフィーー」
皆は声を揃えて一声鳴くと、向きを変えて森の奥に帰っていった。
「さぁオニドリル、君も帰っていいよ。巣で仲間が待ってるんじゃないか?」
「ヂュンヂュンクルールー」
「僕は旅をしてるからそこは大丈夫。けどまぁ確かにそろそろ行こうかな。寝床探さないと、だって。」
「そっか。じゃあね、オニドリル。今日はありがとう。」
「ヂュンクルル…」
「あ、ちょっと待って。フィーフィーー、フィーーフィ」
するとオニドリルは驚いたようにフィールを見つめ、そしてすぐに楽しそうな顔になった。
「ヂュヂュヂュ、ヂュンクールルクルー」
「フィー!」
なんだかフィールはムッとしたようだ。
「クールルーーヂュンヂュンルー」
「…フィー…フィーー、フィフィーフィーー、フィ」
「ヂュンヂュン」
……一区切りついたらしい。オニドリルはますます楽しそうな表情になっていて、一方フィールはじとっとした目でオニドリルを見ている。
「何話してたの?」
「…なーんでーもない。また会えるかもしれないねって話。」
「ふーん?」
全然納得いかないがまあいいだろう。フィールに話す気がないのなら仕方が無い。それにしても何話したんだ?眉間にしわが寄ってるぞ。
「ヂュン!」
「あ、じゃあねオニドリル。また会えるといいね。」
「フィーフィー!」
もう一度鳴いて、オニドリルはバサバサと飛び去っていった。
「…さて、俺達も行くか。フィール、お疲れ。ボールに戻っていいぞ。」
「いい、歩く。」
「あぁもう…。さっき何を話したのかは分からないけど、そんなに考え込んでると木に頭ぶつけるぞ。」
「気を付ける。」
「はぁ…じゃあニビシティに向かって行くぞ。」
「おう。」
こうしてコバルトはトキワの森を後にしたのだった。
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