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青き空を守りし者は
第四話
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コバルトがトキワの森を抜けたのは日が暮れて辺りが暗くなってしまった頃だった。ニビシティにはもう少し歩かなければいけないので、今夜は森を出てすぐのゲートに泊まることにした。ゲートは町を結ぶ主要道路の途中に設置してあり、目的地に行く途中の休憩所として利用される。警備員がいるところもあるが、ここはいないタイプのゲートのようだ。その代わりと言っては何だが結構広い。ゲートにいるのは現在コバルトだけで、ゲートの中で寝るのにちょうど良さそうな長椅子に目星をつけると、給湯室に入って食事の準備をする。リュックから折りたたみ式片手鍋と水で戻して食べるタイプのブロック食品を取り出す。どちらも旅には欠かせないコンパクトかつ便利なアイテムだ。鍋に適量の水を入れ火に掛け、沸騰したらブロック食品を入れる。シチューが出来上がったところで今日は外で食べようと思い、鍋を持ってゲートを出る。
晴れた夜空に星々が瞬き、心地良い微風が吹き始めていた。木製のピクニックテーブルに鍋を置いて、ポケモン用の皿を取り出し、ポケモンフーズを入れて並べる。そしてモンスターボールからポケモン達を出した。ディーとユーリはまだぐったりしていた。
「二人とも大丈夫か?うーん…あ、そうだフィール、今二人がいる場所で願い事してくれ。」
「あ、その手があったな。よしじゃあ……。」
フィールはディーとユーリの間に腰を下ろし、静かに目を閉じる。そのままゆっくりと空を向き、尻尾をそよりと揺らした。そしてそっと目を開いた時、空から二粒の光が舞い降りてきた。その光はしゃぼん玉のようにぱぁっと弾けて粒子となると、ディーとユーリを包み込む。二匹の身体が仄かに優しく光り、それが消えると二匹は随分元気になった。
「ガウガウ」「クゥー」
「良かった、二人とも元気になって。フィール、ありがとう。」
「ふふ、このくらい大した事ないさ。けど願い事って時間掛かるからなかなか戦闘中に使えないんだよなぁ。」
「そうなんだよねぇ。けど無いよりずっと良いよ。研究所のイーブイ族の中でこの技使えるのフィールだけだし。皆も感謝してるよ。」
「そう言うなよコバルトー。照れるじゃないかぁ。」
そうして一人と六匹は揃ってクスクスと笑う。
「さ、皆ご飯にしようか。自分の皿を間違えないようにな。」
全員が位置に着いたところで、いただきますと食べ始めた。シチューは少し冷めてしまっていたけれど、皆が揃って食べるととてもおいしい。
「そういえばディー、あのオニドリルが庇ってくれてありがとうって。さすがだなぁ、咄嗟にバロッズとオニドリルを庇うなんて。偉いぞディー。」
「ガゥ…」
ディーはとっても誇らしげだ。バロッズからもお礼を言われて、ちょっと照れている。
コバルトは微笑ましい光景を見ながら、母に前に言われた言葉を思い出していた。
「ポケモントレーナーになりたいのなら個々の素質を見極める目を持ちなさい。そしてどうすればポケモンが一番輝くのか良く考えなさい。ポケモンはあなたにとって最高の友でありかけがえのない家族よ。トレーナーはね、ポケモンを育てる事で自分も成長していくの。ポケモンを見ればそのトレーナーがどんな人なのか大体想像がつくのはそのせいよ。さぁあなたはどんなポケモンを育てていくの?」
俺は……俺はポケモンの、友達にとっての大切な友でいたい。今目の前にいる心強い友達が一番力を発揮できるようにサポートする友として。楽しむ時はいつも一緒。危ない時は皆で力を合わせて乗り越える。泣いて笑って励ましあって、一緒に成長していきたい。だから俺はポケモン達を……自由に在るべき自然な姿に育てていきたい。一人ひとり違うのだからそのポケモンがそのポケモンらしく生きていけるように。
「おーいコバルト、なーににこにこしながらこっち見てんの?シチュー冷めちゃうぞー。」
「ううん、何でもないよ。そう言うフィールこそオニドリルと話してから何か考えてたじゃん。いい加減内容教えてよ。」
「いーわない。あいつと約束しちゃったし。どうせ必要になったらあいつから言ってくると思うよ。用事が済んだら会いに来るって言ってたし。」
「そっか、じゃあまた会えるのか。楽しみだね。」
「うん、そうだね。」
そうして二人はオニドリルが飛び去っていった方向の空を見た。そういえばマサラタウンも同じ方角だっけ。今日旅に出たばかりなのに、随分経った気がする。
「さて、皆食べ終わったな。じゃ片付けて寝よっか。明日はニビシティのジムに行こう。開いてたら挑戦するぞ。あそこのバッジを持ってたらおまえ達の攻撃力が上がる。そしたら戦いで有利になるはずだ。岩ジムだからグレイに活躍してもらおうかな。頑張ろうな、グレイ。」
「ギャゥ!」
グレイはサイドン。ディーより少し背が高くてパーティーでは一番大きいのだけれど寂しがりやな可愛い奴だ。
「じゃあ皆おやすみ。また明日。」
コバルトはこの夜は早めにゲートの片隅で眠りについた。
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