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青き空を守りし者は
第六話
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「バトル形式はシングル。使用ポケモンはお互い一体です。両者、準備。…バトルスタート!」
「行け!ゴローン!」
「出てこい!グレイ!」
コバルトが案内されたニビジムのバトルフィールドは、室内にあるが天井は高く床は土で岩がたくさん転がっていた。フィールドを観察しているとすぐにハジメが来た。歳はコバルトより3、4つ上くらいだ。正式なニビジムリーダー戦はシングルの三対三なのだが、ハジメが一番自信のあるゴローンで戦いたいという事で、今回は一対一だ。ゴローンもサイドンもお互いに地面と岩の二つのタイプを持っている。
「ゴローン、マグニチュード。」
ぐらぐらと地面が揺れ始める。グレイはよろけて大きな岩に身体を打ち付けてしまう。
「グレイ体勢を立て直して地震を。揺れには逆の揺れで相殺させるんだ。」
立ち直ったグレイは地震を絶妙のコントロールで操りすぐに収めて見せた。
「ならば、ゴローン、丸くなる。続けて転がるで突っ込むんだ!」
「グレイ、地震で軌道をずらせ。」
しかしそれでもゴローンはグレイに向かってくる。
「グレイ受け止めてくれ。耐えろっ……頑張れ!飛ばされるなよ…。」
グレイは地面の岩に足を掛け、なんとか持ち堪える。ゴローンはグレイの腕に抑えられ、徐々に回転を止めていく。
「よし、グレイそのままカウンター!」
「しまった!避けてくれ!ゴローン!」
ハジメの叫びもむなしく、グレイのカウンターは見事にゴローンを捉えた。重たいゴローンも吹っ飛ぶ威力。勝敗は決まったようだ。
「…ゴローン、戦闘不能。よって勝者コバルト!」
「やっったーー!良く頑張ったな、グレイ!」
「ギャゥゥ…」
グレイはドスンと腰を下ろして座り込んだ。疲れているようだがとても満足気だ。一方ハジメはちょっと残念といった顔でゴローンをモンスターボールに戻す。
「お疲れ様ゴローン。良く頑張ったな。コバルト君って強いね。あっという間に決まっちゃったな。そのサイドン良く育ててるんだね。スタミナがあるから倒すのは一苦労だよ。」
「えへへ、ありがとう、ハジメさん。けどゴローンも強かったですよ。グレイの体力も転がるでかなり削られてしまったから、カウンターが決まらなかったら負けてたと思います…。」
お互いに歩み寄ると、握手を交わす。コバルトはグレイの腕をポンポンッと叩いて声をかける。
「お疲れグレイ。ありがとう。ボールで休んでてくれ。」
「ギャゥ」
グレイをボールに戻したところで、観戦していたタケシが口を開く。
「さて、コバルト君おめでとう。二人ともいい戦いだったよ。コバルト君はハジメに勝った事だし、ジムの挑戦権は確実に手に入れたことになる。それでジム戦の方だけど、ポケモンをちゃんと休ませてからがいいだろうから、少し時間を置いてから始めようか。そうだなじゃあ…あ、ごめんちょっと待って。」
タケシのポケギアに電話が掛かってきたようだ。電話に出たタケシの顔がすぐに険しくなる。
「………はい、三番地のショップですね。すぐに行きます。………悪い、コバルト君。プラネット団が店を襲撃したようだ。事態を収拾しに行かないと。ジム戦は明日以降になると思うから、すまないが待っていてくれ。では急いで行ってくる。」
そう言い残してタケシは走って出て行った。コバルトとハジメは顔を見合わせる。
「コバルト君、回復機があっちの部屋にあるから付いて来て。」
「はい。」
バトルフィールド入り口の手前にある部屋に入ると、確かに回復機がある。まずはハジメがゴローンのボールを乗せて起動させる。
「回復機の使い方は分かるか?…よし、じゃあ俺も行ってくる。何かできる事があるだろうから。この部屋使ってていいから。じゃ。」
「あ、ちょ…。」
ハジメも走って出ていってしまった。コバルトは伸ばしかけた手を仕方なく下ろした。本当は連れて行って欲しかったのだが。
「とりあえず回復させるか…。」
回復機は研究所で何度も使っているから扱いは慣れている。ボールを乗せてスイッチを押すとチャンチャンチャラランッと間の抜けた曲が流れた。
「さてと、これからどうしよう…。」
「あれ?ハジメ兄ちゃんは?」
ドアが開いてサンジが顔を覗かせる。
「ハジメさんならさっきタケシさんの後を追って出ていったよ。」
「そっかー…。まぁいいや。そうだ、あのね、さっきのバトル、あっという間だったけどすっごく楽しかったよー。サイドン強かったねー。僕今イシツブテ育ててるんだけどまだまだ弱いんだー。やっと岩落としを覚えてくれたけど、ハジメ兄ちゃんにもフミヤ兄ちゃんにも一度も勝てなくて。」
そう言うとサンジは少し落ち込んでしまった。そこでコバルトは軽い調子でサンジに問いかける。
「そっか。でさ、サンジ君はイシツブテのことどう思ってる?」
「え?えーっとね…うーん、自慢の弟!」
「いいねぇ弟かぁ。じゃあきっとサンジ君はイシツブテから見ると自慢のお兄さんだね。それならイシツブテもぐんぐん強くなろうって思ってるはずだよ。けどあんまり焦らなくてもいいと思うよ。自分達のペースを見つけてじっくり歩んでいけば大丈夫。」
「ホント?それって秘訣ってやつ?」
サンジの目がキラッと輝く。コバルトはそれに負けないくらいにっこり笑って頷いた。
「うん。俺はそうしてきたよ。焦るとなかなか上手くいかないから。」
「わぁ…。僕も頑張らなくちゃ。」
「頑張ってね。今よりずっと強くなれるさ。」
そして二人でクスクス笑う。そしてその時玄関から緊迫した声がしてきた。
「タケシさん、タケシさんいませんかー!助けてください!」
コバルトとサンジはチラリと視線を交わすと急いで玄関に走っていった。
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