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青き空を守りし者は
第七話
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「どうしましたか!?」
コバルトは玄関に急いで、人の姿を確認すると同時に開口一番に尋ねる。玄関に来ていたのは若い男性だった。
「おや?君は?タケシさんは居ないのかい?」
「タケシさんとハジメさんは先程三番地のショップが襲われたって言ってそこに行きました。俺はこのジムに挑戦に来てて…。」
「この人強いんだよ!ハジメ兄ちゃんに勝ったの!」
と、サンジが口を挟む。
「そうか…。とにかく君でもいいから来てくれ。博物館がプラネット団に襲われたんだ。特別展示の鉱物を狙ってるらしくて…。館内の人たちが抵抗して立てこもってる様だけどいつまで持つか…。頼む、急いでくれ!」
コバルトは真っ直ぐに青年を見つめて、答える。
「分かりました。最善を尽くします。」
青年は少しほっとした表情を覗かせ、すぐに引き締まった顔に戻る。
「行ってくれるか。ありがとう。…頑張ってください。お気を付けて。」
「はい。あのサンジ君をお願いします。では。」
コバルトは博物館までの短い道のりをディーに跨り駆けて行った。
科学博物館付近に着いたコバルトは、近くの垣根に隠れて様子を窺う。入り口の見張りは二人とヘルガーとグラエナ。プラネット団は基本的に五人組で活動するから、中にいる敵は三人か、二組で来ているなら八人。
「三人だといいんだけど。カピラ、出てこい。」
ボールからライチュウが出てくる。
「ちょっと賭けだけど、あそこの見張りにプレゼント四連発。」
「ラーイ、チュ」
カピラの手のひらにポンッと小さなプレゼント箱が現れ、それをそのままポーンと投げた。四つとも投げ終え、相手を観察する。一つ目、足元に落ちた箱を見張りの一人が拾う。するとリボンが解けて光が出てきた。…回復の箱のようだ。これを見た残りの見張りとポケモンは、同じく足元に落ちてきた箱に手を掛ける。すると…。ボンッ、ボーン、ドゴーンとそれぞれ爆発。コバルトとカピラは同時にニヤリと笑ってガッツポーズをする。
「よし、行くぞ。カピラ、ありがとう。」
カピラをボールに戻し、煙に紛れて急いで建物の中に入る。チラリと見張っていた二人と二匹を見たが、やはり気絶していた。建物の中は争った形跡があり、奥からは戦っているような音がする。コバルトがカウンターの影に隠れると同時にプラネット団の仲間が様子を見に来た。
「おい見張り、どうした。」
「よしフィール、カピラ、行け。シャドーボールとプレゼント。」
建物内は身体が小さめのこの二匹が適しているだろう。そして相手はロビーに入った途端に攻撃をくらって気絶した。残りはそのポケモンのニューラとノクタス。そしてこの二匹はフィールとカピラに襲い掛かってきた。
「カピラ、ニューラにアイアンテール! フィール、ノクタスの攻撃をかわしながらシャドーボールで体力を削っていってくれ。…カピラかわしてもう一回アイアン! よし、フィールの援護を。守る、そしてさらにアイアン! よし倒れたな。フィール、悪タイプと相性悪いから、テレパシーで指示を伝える役に換わってくれ。」
「了解〜。」
「じゃあバロッズよろしく。建物の中は狭いけど大丈夫だな?」
「ギュー!」
「よし、行くぞ!」
カピラ、バロッズを先頭に奥に進む。さっき様子見に来たのは一人だったが、敵はおそらく二組十人で来ているだろう。とすると残りは七人。それにしても博物館側はプラネット団からよく守っている。もっともプラネット側の狙いは展示している鉱物のようだし、建物を壊すと瓦礫にまぎれて分からなくなってしまう可能性から派手に出来ないのだろうけれど。それに何より建物の中に居て破壊でもすれば自分自身が危険だろうし。
「いた、あそこか。博物館側もいるな…。バロッズ黒い霧最大威力で。」
回廊が黒い霧で満たされた。風も無いので流される事無く留まっている。
「何だ!?」
プラネット団も博物館組も気付いて振り向いたが黒い霧のせいでよく見えない。それはこちら側にも言える事ではあるが、先手が打てるコバルト側のほうが有利だろう。
「バロッズ、カピラ、一気に突撃して混乱させるぞ。行け!」
黒い霧から二匹が飛び出し敵陣を乱しに掛かる。不意を突かれた相手は上手く対応が取れない。
「フィール、どんな状況だ?」
「こんな感じ。」
フィールの感じ取った現場の状況が一瞬のうちに頭に流れ込んでくる。特性シンクロの応用だ。コバルトは少しくらっとしたが状況は読み取れた。ここに居るプラネット団は四人、二階に三人。敵のポケモンはゲンガー、シザリガー等八匹。博物館側は15人いて、その内二階にいるのが6人。ポケモンはイシツブテ、ピクシー等11匹。そしてバロッズとカピラの乱入でプラネット団側の陣形は崩れている。
「なるほど。指示を伝えてくれ。博物館側のポケモンのペースを乱さないように協力して奴らを追い出すぞ。バロッズ、シザリガーにギガドレイン!」
バロッズのギガドレインが決まり、シザリガーの体力を削る。そこにすかさずピクシーがメガトンパンチを繰り出す。それと同時に相手のゴーストのシャドーボールがイシツブテにヒット。イシツブテは倒れてしまったが、隙を突いてカピラがゴーストにアイアンテールを喰らわせ戦闘不能にした。そしてスピアーが相手のグラエナにダブルニードルで攻撃し、グラエナは反撃に噛み付くのだが毒が身体に入ったようで一瞬動きが止まる。そこにバロッズが毒々の牙でとどめを刺した。
「くそ〜…もう知るか。ヘルガー、焼き尽くせ!」
命令を受けたヘルガーはニヤッと嗤うとあらゆる方向へ火炎を撒き散らす。
「カピラ、守る!」
カピラが博物館の人たちの前に立ち守るを発動させるのだが、離れていたポケモンには届かず、スピアーやプリンが倒れた。
「バロッズ、ヘルガーを止めるぞ。空を飛ぶ!」
バロッズの身体全体が風に包まれ技が発動した。素早い動きで火炎をかわしながらヘルガーに突っ込んでいく。どうっとヘルガーが飛ばされ、そのまま気を失った。
戦力を失ったプラネット団は舌打ちし、ケーシィを出すと同時にテレポートした。
ヘルガーの火炎放射のせいで所々燃えている。コバルトはユーリを出して消火に向かわせ、戦った二匹を呼び戻す。
「フィール、上はどうなってる?」
「こうだ。」
現在プラネット団のポケモンが3匹、博物館側も3匹。今すぐにでも押し切られそうだ。入り口で倒した3人はいなくなっているから、さっき一緒にテレポートしたのだろう。そして警察がやっと入り口に到着したようだ。
「まずいな…。二階へ行くぞ。フィール、二人にも状況を伝えて。」
コバルトは二匹が頷いたのを確認すると、指示を出した。
「カピラはニューラにアイアンテール。バロッズはノクタスに毒々の牙。フィールはゲンガーにサイコキネシス。混乱させれば奴らも引くだろう。行ってくれ!」
三匹が突入して攻撃すると、残ったプラネット団三人は状況が不利になったと判断したようでやはりテレポートした。
「やっと終わったか…。」
コバルトは戦闘現場の二階の展示室に入っていった。
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