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青き空を守りし者は
第九話
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陽が沈んでだいぶ暗くなった頃、コバルトはサンジとバトルをしていた。
「イシツブテ、体当たり!」
「フィール、かわしてシャドーボール!」
「イシツブテ後ろー!! …あーまた負けちゃったー。」
「お疲れ様。そうだな…、素早い相手にも対応できるように受身の練習が要るかな。」
「うーん…、受身かー。」
コバルトはバトルの後に、サンジの戦い方で気になったところ等のアドバイスをする。これで三回目。コバルトは一回ごとにポケモンを変えて戦ったのだが、今のところ全勝だ。
「おーい、コバルト君、サンジー、そろそろご飯にするから来てくれ。」
とここでハジメが呼びに来た。
「はーい。」
二人はポケモンをボールに戻して食卓へ向かう。
サンジに案内されて部屋に入ると、とても食欲を誘う香りが漂っていた。ハジメが全部作ったらしいのだが、その腕は一流料理人並みの腕前かもしれない。残念ながらコバルトは一流料理人の作る料理は食べた事が無いので予想でしかないのだが、今まで食べた事のある料理の中でも一二を争うものだった。しかもハジメよりもタケシの方が料理の腕も上だと言うから驚きだ。暇さえあればレストランを開いてもやっていけそうだ。
ついでにポケモン達は別の広い部屋で食事している。
「ねぇ訊いていいかな? コバルト君はどこの町から来たの?」
食べ始めてすぐハジメが訊いてくる。
「マサラタウンからです。結構田舎ですけどいい所ですよ。」
「ああ、オーキド研究所の。あの町って確かシゲルさんの出身地だったよね。何回かうちに来た事があるんだけど、父さんとバトルして勝ったし、すごく強いんだろう?」
やはりマサラタウンと言うと、オーキド研究所とシゲルの名が挙がった。さすがに有名らしい。
「はい。シゲルさんとは俺も前にバトルしてもらった事があったんですけど、すっごく強くて…。」
ハジメは何か思い出すように視線を天井に向けて頷く。
「うんうん。さすがだよねぇ。父さんがジム継いであんま経たない頃にシゲルさんが挑戦しに来たらしいけど、その時も一回で負けてしまったらしいし。父さんもなかなかだが、あの人は本当に尊敬するな。マサラタウンは研究でもバトルでも優秀な人が多いって有名だよ。」
「ええっそうだったんですか。そんな評価がされてたとは知らなかったなぁ。」
「はは、そのマサラタウンのコバルト君が強いんだから間違いないさ。」
「え、いや、俺はまだまだ…。よく母さんからいろんな経験積まないと強くなれないぞー、とか言われてたし。確かにバトルの相手はほとんどいつも知ってる人だったんで、戦略とか動きとか読みやすかったから…。」
やっぱりコバルトは照れ隠しである。だがこれもまぁ事実ではあるのだが。そしてこれを聞いたハジメは何か納得したように一つ頷く。
「ああ、それで旅に出たのか。経験積むために。」
「え? ええっとそんなとこです。」
いきなり旅の目的に話が飛んで焦ったコバルトだが、さすがにプラネット団を壊滅させるためですとは言えなかった。一人で出来るところには限界がありそう、というかあるだろうと自分でも思っているので、笑い飛ばされるか頭大丈夫かと言われるかのどちらかになると予想がついたからだ。ハジメはそんな事には気付かず話しを続ける。
「確かに経験は重要だよな。ジムとかなら相手のほうから来てくれるけど、大抵は自分から行かないと相手に会えないからな。とにかくこんなご時世だが頑張れよ、コバルト君。」
「はい。頑張ります。」
若干すれ違ってしまっているが、こんな風に応援してもらえるとやっぱりやる気が出るものだ。隠し事にちょっと心を痛めつつ、満面の笑みで返事をするコバルトである。
「ねぇねぇコバルト兄ちゃん、オーキド研究所の話して! いろんなポケモンがいるんでしょ!?」
話が切れたのを見計らったのか、サンジがすかさず尋ねてきた。
「お、サンジいいこと訊くな。俺もそれには興味があるぞ。ということでコバルト君、是非。」
兄弟二人の目が期待に輝いている。話すといっても何から話せばいいのか迷うところだが、まずはサンジの質問から答える事にした。
「そうですね…。確かに研究所にはポケモンがたくさんいて、種類はカントー地方にいるポケモンのほぼ全部と、後はジョウトとかホウエンのポケモンもいます。ほとんど研究所関係者のポケモンなんですけど。で、そのポケモンたちは庭で放し飼いになってて、えっと確か博士がポケモンの生態を観察するためにそうしてるって…。それでこの庭がすっごく広くて、草原とか森とか洞窟とかあって、そこでポケモンたちがのびのびと生活してるんです。自分の話になってしまうけど、俺はよくその庭でポケモンと遊んだり探検したりして…。そうそう、野生のポケモンも遊びに来ますよ。」
「なんかすごく詳しいね。」
と、あまりの熱い話しっぷりにやや驚いているハジメの一言。つい夢中になってしまったコバルトは耳を赤くしつつ反省して、もうちょっと落ち着いて話を再開した。
「えっと詳しいのは親が研究員なんで。家が研究所の横だったのもあって研究所の人からよく話を聞いてたし…。庭の話に戻りますけど、ときどきポケモンの卵が見つかるんです。それでその卵から孵ったポケモンは普通じゃ覚えない技を覚えてたりもするから、そういうことも研究してるみたいですよ。実際俺のポケモンたちもバロッズ以外は研究所生まれで、そのいわゆる卵技を覚えているから…。もちろん研究所生まれでも卵技を覚えていないのもたくさんいますけど、親が言うにはそんなところが魅力だとかで。ポケモンってほんと不思議で謎が多いですよねぇ。一緒に居るだけでもすっごく楽しくって。そう思いません?」
「確かにその通りだね。」
「うん!」
皆で笑い合い会話は弾んで、ご飯の後も続くのであった。
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