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青き空を守りし者は
第十話
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翌日の朝。場所は変わってマサラタウン。
コバルトの母であるリーフは朝食を取っていた。
「今頃コバルトはどうしてるかしら。ねーカザリ。」
「ギャーゥン」
ちなみにカザリはリザードン。リーフの一番最初にパートナーになったポケモンで、今でも良き相棒である。そこに窓をコツコツと叩く音がした。
「ん? 誰かしら?」
朝日の眩しい窓に近づきカーテンを開けると、そこには一羽のオニドリルがいた。
「おはよう、オニドリル。何か御用かしら? とにかく中に入って。」
ヂュンっと一声鳴くと部屋に入ってくる。そして窓とカーテンを閉めようとしたので、リーフには目的は分からなかったがとりあえず閉めてあげる。その後オニドリルはしばらく辺りを見回し、リーフ以外の人がいないのを確認する。そして、一瞬でその姿を変えた。
「ミュー!」
「あらミュウじゃない! 久しぶりね。元気だった?」
リーフは思わず抱きしめる。そう、オニドリルはミュウの変身した姿だった。
「わざわざ遠くから来てくれて嬉しいわ。何か食べ物を出すから待っててね。」
「ミュウ」
リーフは10歳で殿堂入りした後もしばらく旅を続けていたのだが、その旅の途中で出会ったのがこのミュウだった。当時はゲットしようと頑張ったのだが、ミュウはすばしっこくってどんどん逃げていき、リーフは気付いたら深い森の奥に入り込んでしまったのだ。しかもそこは無人島で他の島からも離れているし陽は沈んでしまったし嵐が近づいて空からも海からも帰れないしで、手持ちのポケモン達としょんぼり涙を浮かべることしかできなかった。そんな時逃げていたミュウが戻ってきて、嵐を凌げる洞窟や沢山の木の実を提供してくれたのだ。結局次の朝には嵐は過ぎて帰り道もミュウに教えてもらったが、リーフはこのミュウが一人でふらふらと旅をするのが好きらしいと判断してそのままゲットせずにミュウとは別れた。その後にも数回旅の間に逢っていたのだが、マサラタウンで研究者の道を歩むと決めた辺りからこのミュウとは逢わなくなっていた。
そんなミュウが旅の途中でリーフに会いに来てくれたのだ。稀少ポケモンを見慣れてない人に見つかると何かと騒ぎになるので町付近では変身して過ごすようだ。
リーフはカザリと楽しそうに話してるミュウにポケモン用のお茶とお菓子を出した。
「ミュウ!」
これを口にしたミュウは気に入ったらしい。とても喜んでくれた。
「ミュウ、ミューミュー」
「ん? なあに? 旅で何かいい事あったの?」
「ミュー!」
「そっか良かったわねぇ。あ、そうそうミュウ、私にね子どもができたのよ。コバルトっていうんだけど。けどつい二日前に10歳になって旅に出ちゃったのよ。残念…、入れ違いになっちゃたわ。あ、でもコバルトってテレパシーを使えるエーフィーを連れているからひょっとしたらあなたの旅の途中で会えるかも。その時はよろしくね。」
「ミュ?」
リーフの話を聞いたミュウはちょっと首を傾げ、そしてすぐに手をパチンと合わせ顔をパッと輝かせた。
「ミューミュウ!」
それから楽しそうにくるんと宙で前方向に一回転すると、また姿を変えた。
「フィー」
「そうそうコバルトの相棒はエーフィーよ。……あれ? あ、フィールじゃない!? ってことはもう会ったのね。」
再びミュウの姿に戻ると元気よく頷く。
「ミュウ」
「ふふ、結構いい子だったでしょう。でもまだまだ経験不足かな。コバルトもポケモンたちも。相手が相手だから結構頑張らないと危ないと思うんだけどねぇ。シゲルの奴も似たような事やってるから途中で会えればいろいろ情報を交換できるんだろうけど…。あ、ごめんミュウ、なんか独り言になってたわ。せっかくマサラに来てくれたんだし、研究所の庭でも見てみる? 皆も歓迎してくれると思うわ。どう?」
ミュウはちょっと考え込んだが、申し訳なさそうに首を振る。
「ミュー…」
リーフはなるほどと思ってクスッと笑い、ミュウに言う。
「いいのよ。どこか次に行きたいところがあるんでしょう? 庭は気が向いた時にでも見てみるといいわ。」
「ミュゥミュー!」
今度は元気よく頷いた。そしてスーッと窓までいくとリーフの方を向く。リーフも窓までいってミュウの頭を撫でる。
「遊びに来てくれて本当に嬉しかったわ。ありがとう。じゃあミュウ元気でね。また逢いましょう。」
「ミュウ!」
そう言って再びオニドリルに変身すると窓枠に乗り、振り返って一声鳴くと飛び立っていった。
「…さて、私も頑張らなきゃ! カザリ、気合入れていくわよ!」
「ギャウ!」
そしてリーフはマサラタウンをプラネット団から守るという重要な任務のために、今日も一日頑張るのである。
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