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青き空を守りし者は
第十一話
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場所はニビに戻り、時間はリーフがミュウに再会する少し前。コバルトはニビジム兄弟の朝のトレーニングに参加させてもらっていた。内容としては最初は個々で身体を温め、その後で互いに軽く技をぶつけ合ったりするといったもの。コバルトもいままで似たようなトレーニングをしてはいたのだが、ニビジムのものはダイナミックだった。ジムのバトルフィールドには岩がたくさんあるのだが、ゴローンやイワークといった岩ポケモンたちがその岩を持ち上げたり投げたり砕いたり。さすがだ、と思いつつもちょっとその迫力に引き気味のコバルトだった。ところで砕いた岩の代わりになるものは毎日どこから持ってきているのか。しばらく見ていると岩が突然出現した。どうやらゴローンが岩を技の応用で出したらしい。考えてみれば確かに何も無いところから水を出すポケモンが居るのだから不思議ではない。どうやって出すのかが解明されていないだけだ。
「コバルト君のサイドン、君もやってみるか?」
とここでハジメからのお誘いが。個々のトレーニングは大体終わったので、押し合いでどっちが勝つか力比べをしようという。コバルトはグレイにどうする? と訊いてみたが、グレイはやる気満々といった様子で頷いた。
「よし、じゃあいってこい。頑張れよ。」
「ギャウ!」
押し合いのルールは簡単。二匹のポケモンがただ押し合い、倒した方が勝ち。特殊技を使ったり足を払ったりするのはなしのパワー勝負。トレーナーは指示を出さず、ポケモンの考えだけで行動する。開始位置は両者間に1、2メートルほどの間をとり、少し勢いを付けられるようになっている。
まずはハジメのイワークとグレイ。イワークはまだ子どものようで大人のイワークよりは小さいが、それでもグレイに比べれば充分大きい。
スタンバイの掛け声でグレイが手を構え、イワークが頭突きのような体勢に構える。そしてスタートと合図。それと共に両者がぶつかり合い、ガツンと音が響く。しかしどちらも弾かれず今度はじりじりと押し合う。一分近く経過したが、やはりイワークの力が強いので少しずつグレイが後ろに押されていく。ここでイワークが一気に押そうと僅かに身体を引いた。グレイはこれを見逃さず、力を込めて押し返す。バランスが崩れたイワークはそのまま大きな音と共に倒れてしまった。
「よしっ。よくやったぞグレイ!」
「むっ…。お疲れ様イワーク。一瞬の隙を突かれたな。次からはそこを気をつけよう。」
「ゴーゥ…」
ハジメはイワークをよしよしと撫でた。そしてゴローンと視線を交わし、両者頷く。
「よし、サイドン。次はゴローンとやってくれるかな?」
「ギャーギャウー!」
「いや待てグレイ。そのノリは何か違うだろ。」
というフィールの的確なツッコミは見事に無視され、グレイとゴローンは位置について向かい合う。
「スタンバイ!」
掛け声と共に空気が張り詰める。そして…。
「スタート!」
両者の幅は一気に狭まり、ガツッと音を立てて組み合う。掌を合わせるようにして押し合っているのでグレイは両手が塞がっているが、ゴローンは腕が四つある。残った二つの腕でグレイの腕も掴み、踏み込んで横に投げ飛ばす。ズーンという音と共にグレイが倒れた。
「やったなゴローン! よくやった!」
ゴローンはバトルと形式は違えど、一回負けた相手との勝負に勝てて満足そうだ。一方グレイは落ち込みモードに突入してしまった。
「グレイ、負けちゃったな。前後方向の力ではいい感じだったのに、横方向の力まで気が回ってなかったろ? 次から気を付けよっか。ほらそんなに落ち込むなってば。グレイはよく頑張っただろ。なっ。」
「ギャゥゥ…」
励ましにグレイの気分は少し上昇したようだ。立ち上がってゴローンのところまで行き、がしっと握手をする。二人の間には友情が芽生えたようだ。
「さて、大分身体も動かした事だし、そろそろ町に行くか。コバルト君、サンジ、一緒に来るだろ?」
「そうします。」
「行く行くー。」
昨日の事もあり、あちこち修理で忙しい町へ、コバルト達は出かけて行った。
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